アニメ「ベルサイユのばら」で監督を務めた、出崎統さんが亡くなったそうです。
アニメ監督の出崎統さんが死去(産経新聞記事)
初めてアニメを見たのが、高校生の頃でした。
本放送の時は親が見させてくれなくて、再放送をビデオに録画して、何度も繰り返し見ました。
前半は別の監督さんで、原作の雰囲気を醸し出していたのですが、後半は、代わって監督となった出崎さんの世界観にかなり染められていて、最初、「なんか、ちょっと想像していたのと違う」と思ったものですが、何度も見ているうちに、また年を経るにしたがって、「これは、これでいいのかも」と思うようになりました。
徹底したリアリズム。アンドレが撃たれるシーンに、それが象徴されていたように思います。
オリ・キャラのアコーディオン弾きのおじさんも、いい味出していました。
アランは原作よりずっと大人のいい男に描かれていて、原作の「ケツの青いがき」なアランも魅力的なのですが、もしアニメの方を先に見ていたら、原作のアランに違和感を覚えていたのではないかと思うほどです。
アニメのアランは革命後、農夫として暮らしていますが、それをご覧になった池田先生が、「アランは生涯、軍人」と思われ、「エロイカ」に登場させ、将軍という地位まで昇進させるんですよね。オスカルさまの階級を越えてしまうほど出世しちゃいました。
演出的には、止め絵の手法がよく使われていて、後年、映画「とっとこハム太郎」を監督されていましたが、映画館で、「絶対に止め絵が来るに違いない!」と、ストーリーとは全く関係のないことを期待しつつ見入っておりました(ラスト近くで、ついに出た時は、心の中で「やっぱり」と手を叩いてしまいました)。
自分がアニメに一番夢中になっていた頃に活躍されていた監督さんが亡くなられるのは、何とも寂しい気持ちになります。
DVDは全巻持っているので、見直してみようかな。
ご冥福をお祈りいたします。
PR