パリを含むイル・ド・フランス地域圏では、2015年1月1日から、薪を使う伝統的なタイプの暖炉使用が禁止になるはずでしたが、施行直前に撤回されたそうです。
大気汚染を抑制しようとしての施策だったようですが、冬の風物詩が一つ減らずに済んでよかったと思います。
冬季限定ですし、自動車の排ガスなどに比べたら、それほど大きな原因ではないような気もしますし……。
うちのフラットにも小さいですが、リビングに暖炉があります。
現在の暖房はガス・セントラル・ヒーティングですので(※)、暖炉は使ってはいません。
形骸的に残されているにすぎず、煙突につながる上部は、すっかり塞がれてしまっています。
※ガス湯沸かし器で沸かしたお湯をパイプを通して全室に送って暖をとります。
こんな感じです。
(左:今はオブジェと化している暖炉、右:ガス・セントラル・ヒーティング)
ただ、この暖炉を見ていると、たまにいろいろなことを思います。
ロンドンに家を持っている知人は、掃除が大変なので、雰囲気を楽しみたい時だけ、たとえば、お客様がある時などに使うと言っていました。
実用的ではないかもしれないですが、暖炉の前って独特のくつろいだイメージがあります。
ベルばらのSS でも、よく出て来ますよね、OAが二人っきりで……って(*^_^*)
うちの子供達を産んだ産婦人科が、個人宅を改装した建物で、待合室に暖炉があったんです。
冬場はたまに、そこで薪を燃やしていて。
もちろん、実用としては、近代的な暖房設備が他にあるので、ロンドンの知人宅のように、雰囲気を演出しているだけなのですけれど、個人宅の造りの中で赤々と燃える火を見ていると、不思議と心が落ち着きました。
熾火のオレンジ、燃える薪木のパチパチとはぜる音、木が燃えて焦げる臭い、火から放たれる熱。
人間にとって、五感で感じた記憶は大切で。
思い起こすと追体験できるものですよね。
便利とか環境に優しいとか、とても大切だと思います。
でも、プリミティブな感覚に訴えるものって、そちらも、何だか理屈や理性を越えて、ヒトにとって、大切なんじゃないかと思うことがあります。
それでは、10月中にいただいたメッセージへのお返事です。
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