夏休みも後半戦に突入。
そろそろ息子には、夏休みの宿題に手をつけてもらわなければと思っています。
夏休み中これまで、日本の学校用の問題集をやっていました。
特に漢字が書けなくなっているようです。
8月は更新停滞していますが、拍手やメッセージありがとうございます。
これを励みにまた頑張ります(^^)v
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『ベルサイユのばら』12巻を、ご厚意でベル友さんが送って下さり、先日読むことができました。
11巻からそうですが、衣装や背景は豪華で緻密になっていますね。
ドレスや、アビにジレの装飾の細かさ、美しさにうっとりです。
「ジェローデル編・2」では、ジェローデルの内面描写がたくさんあり、「あの時、そんな風に考えていたのね」と、ずいぶんと見方が変わりました。
脇役としてのジェローデルは、何を考えているか分からないところがあって、それがまた一つの魅力だったと思うので、「読者の想像にお任せします」のままでもよかった部分はあると思いますが、先生の公式設定を読ませていただけたのは、それに価値があったことと思います。
気の毒なような気もしますが、ジェローデルには永遠に一人の女性を愛する美学を貫いてほしかったので、ソフィアと恋愛関係にならず、旅立ったラストは、個人的によかったと思いました。
「死地へ」と言っていましたが、才覚も運もある人(何だかんだで近衛隊の連隊長になり、革命のどさくさでも生き残り)なので、本人としては不本意かもしれませんんが、何となく長生きしてしまったような気もする彼です。
もっとキャラクターのイメージが変わったのは、ソフィアの方でしょうか。
勘は鋭いけれど、天然な人だと思っていたのに。
以前にも書いたと思いますが、馬車の車輪が溝に落ちて立ち往生した後のカフェでの「あなたのような方のハートを……」は、オスカルの気持ちを知った上だったとすると、どういう意図でって思いますし。
「若きレニエとジョルジェット」のお話は、かなり情熱的でしたね。
国王陛下の許しが出なくても、一目ぼれしたジョルジェットと添い遂げようと思うような性格だからこそ、オスカルとアンドレのことを許したのかなと、将軍の内面が理解できた気持ちに。それに、それだけ一途に愛せる人と結婚できたからこそ、愛人を持たずだったのですよね。
初めて会った時から、こんなにも愛し、大切にしていた奥方が、オスカルさまの死後まもなく他界していることが、新エピソードの中では明かされていますが(アラン編)、このお話を読んだ後だと、余計に、先立たれた将軍の悲しみがどれだけ深かったろうと想像されます。パリに残り、王家の脱出に尽力したのは、悲しみを忘れるためもあったかもしれません。最愛の妻とずっと手元に置いて愛しんで来た末娘の死に、押しつぶされないように。
ジャルジェ将軍の最期も描かれていませんが、最晩年は、娘のうちの一人の傍で穏やかに暮らして、親族に見守られながら、愛する妻と愛娘のもとに旅立っていけていたらいいなと思います。
ジャルママの方は、初めてファーストネームが出て来ましたね。ジョルジュの子孫だから、ジョルジェットなんですね。
修道院行きも覚悟の上、親も、よくしてくれた婚約者にも背いて、愛する人に身を捧げることを選んだ彼女の選択は、1789年7月12日のオスカルさまと重なる部分があります。
ジャルママの実家が画才のある家系で、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの子孫というのは、これまでに、ほのめかしすら無かったので驚きましたが、これはあの画家さんを再登場させたかったからでしょうか?
細かい点を突きつめるときりがないのですが、10代の娘たちに、婚前交渉があったことを話すのはどうなんだろうと思ったり、でき婚じゃなくてもよかったのではと思ったり。
オスカルの誕生が1755年なので、フランツにロレーヌ放棄の交渉に赴いた際に授かった子供がオルタンスだとすると、オスカルさまとはかなりの年の差になってしまうんですよね、オルタンス姉さま。マリア・テレジアとフランツの結婚が1736年なので、それ以前とすると、19歳以上違う計算に。
ただ、オスカルさまのお姉さま方が可愛くて、幼い頃を見られたのは、幸せな気持ちになりました。
ラストは、オスカルさまを男として育てるとジャルジェ将軍が決めるところで終わりますが、これって、男児を産めなかったジャルママの負担を軽くするためかな…なんて思ったり。
フランソワ(フランツ)→ロレーヌつながりで、マリー・アントワネットの名前につながっていく下りは、オスカルとアントワネットの浅からぬ縁を感じますし、もし、これが新エピソードの最終章ならば、原点である1巻の冒頭につながる、きれいな終わり方だったと思います。
連載より、約40年を隔てての新エピソード。
池田先生におかれましては、熟成された上での発表だったことと思います。
もっとOAが見られるかなと勝手に期待していたら、全編スピンオフ作品で、実は自分がこれまた勝手に想像してきた部分と違っていた部分が多数あって、戸惑い、妄想を上書きするのに時間がかかってしまったのですが、何度か読み返すと、新エピソードを発表していただけたことに感謝する気持ちが、どんどん大きく膨らみました。
音楽や講演活動の傍らでのご執筆は大変だったと思いますが、池田先生にはこれからもご健勝で、益々ご活躍していただきたいです。
そして、『ベルサイユのばら』が末永く愛されていきますように。
すっかり語って長くなってしまいましたが、拍手からいただいたメッセージへのお礼は、「お返事です。」をクリックして、どうぞお読み下さい。